鹿児島国体を終えて 後編
一日あけてリード競技に臨みます。チーム戦の国体では二つのルートが用意され、各選手それぞれ別のルートを登ります。各ルートごとに順位付けされ、与えられるポイントが低いチームが上位となります。ルートは前日からデモビデオが公開され予め確認することができます。その夜は何十回とデモビデオを視聴し、頭の中で完璧に登る自分を想像しながら眠りにつきました。
翌日、前日のボルダーで腰に違和感がありましたが自分の番が近づくに連れ緊張感が高まり、アドレナリン効果でいざ登り始める頃には違和感はなくなっていました。正直なところリードはほとんど練習が出来ておらず、直前に数回した程度であとは日課のクリップ練習と長モノトラバースでの持久力トレーニングのみ。圧倒的に練習不足な状態で臨むことに一抹の不安を抱きながらコールゾーンへ向かいました。
緊張がもたらすパフォーマンス
挑むBルートは高度が44まであり、中盤で足先行ムーブが出てくるトリッキーかつパワフルなルートでした。青と黄色で構成されたルート、下から見上げた時の迫力に気圧されそうになりましたが一呼吸し気持ちを落ち着かせます。ここまで来たらあとはやるだけ、そう心の中で唱えて気持ちを奮い立たせて競技を開始しました。
案の定、力みすぎてぎこちないムーブとクリップが続き早くも腕が張ってきた、そう思っていると突然会場がどよめきました。何事かと思いパッと横を見ると日本代表の井上祐二さんがAルートを登っている最中でした。登っていてもハッキリと聞こえてくるハキハキとした地元学生さんの素晴らしいアナウンスと、井上さんのウケを狙った選手紹介に会場の空気が和みました。自分もつられて一瞬ニヤけてしまいましたがお陰で張り詰めていた緊張が解れて、少しリラックスすることができました。徐々に高度を伸ばし傾斜面に差し掛かると一気にパンプが襲ってきました。フックでごまかしながら数手振り絞り団子ゾーンに突入。右ヒールでごまかしながら振り絞るも敢え無くフォール、高度は23+で競技を終えました。
競技を終えた余韻
練習不足が否めない内容ではあったけれど、今持てる力は出し切れたと感じ、競技後は不思議とスッキリした気持ちに。パンプで張り裂けそうな前腕をアイシングしながら壁を眺め、競技を終えた余韻に浸っていました。とても濃密な二日間、相方の亀山くん、サポートしてくれた監督やトレーナーの方々、応援してくださったジムの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
来年度へ向けて
本国体出場という一つの大きな経験を通して感じたもの、コンペで勝つために足りないもの、自身の課題にしっかりと向き合い、来年もあの舞台に立てるよう日々トレーニングに励みたいと思います。リードジムに定期的に通うことが一番の課題になりそうです(笑)。最後まで読んでいただきありがとうございました。ではまた!


