フクベの看板課題。素晴らしい二段

今回は岐阜県美濃市にある有名ボルダーエリア瓢ヶ岳の看板課題とも言える二段を3つご紹介。どの課題も面白いことに変わりはありませんが強いて順位をつけるなら「サンシャインパワー、スズメバチ、ハッパマシンガン」の順になります。これはあくまで個人的なお気に入り順なのであしからず。個人的な主観ではありますが求められる要素や魅力をご紹介していきたいと思います。

トータルパワーのハッパマシンガン

下流エリア蛙岩にあるハッパマシンガン。おそらくフクベボルダーの二段の中でもワルめの方に入るこの課題。ここまで内容が凝縮された課題は早々ないでしょう。この課題はムーブが上手い具合にハマり、繋げ2トライ目で完登。昨シーズンの終わり頃にトライしたお陰かこれまで培った経験が十分に活かされ、根本的なクライミング能力の向上を実感させてくれたそんな課題でした。
 

求められる要素は一言でまとめると総合力だと考えます。スローパー、ピンチ、カチと多彩なホールディングに加えて静と動のムーブの連続。手数も長くマッチを合わせると僕のムーブで18手あり高い持久力が求められます。さらに核心のダイナミックな飛び出しの一点は右に大きく振られるためそれを抑え込む純粋なフィジカルも求められるかなり濃い内容になってます。岩自体は割りと小さくランディングもいいですが後半の抜けのスラブは下から繋げてくると中々緊張感があります。フクベボルダーに訪れる際は是非トライしてみて欲しい素晴らしい岩の一つです。

短しい保持課題 スズメバチ

上流山エリアのオープンブックにあるスズメバチ。完登するまでに要した日数は4日と実は今回ご紹介する課題の中では一番苦戦していました。二日目にマントルで落ちてしまい、三日目は雨に振られて撤退、半年振りに挑戦しようやく完登。昨シーズンはこの課題の完登をキッカケに勢いのり、目標であったグレード更新を達成することが出来たとても印象深い課題です。
 

スタートホールドのアンダーガバを両足のボディテンション効かせて縦カチを中継し、やや持ちにくい縦ピンチを止めます。この縦ピンチ苦戦された方も多いハズ。なにせ小指外側に圧が集中的に加わるためかなり痛い思いをしながら保持しました。皮がめくれてテーピングを巻いて登ったのをよく覚えています。その後の核心の一手であるホールドはインカットがなく持つというよりかは指圧で抑えるような感じでした。リップ取りも足が踏みずらくやや飛び出しづらいですが思い切って伸び上がれば気持ちよく止まる一手になってます。最後のマントルもスラブになっているので気を抜かずにいきましょう。マントルで落ちた時は精神的にかなり応えたのをよく覚えています。
 

この課題に求められる要素はズバリ保持力だと考えます。手数は僕のムーブでリップまで5手とかなり短いですがその分一手一手の保持感がとにかくワルいです。足も外径したホールドが多いため繊細なフットワークも求められる内容になってます。最初から最後まで気が抜けないスズメバチ、ムーブが上手く決まった時の爽快感は格別です。

パワーエンデュランスのサンシャインパワー

最後にご紹介するのは上流山エリアの枕岩にあるサンシャインパワー。この課題を完登するまでに要した日数は二日でした。最後の右トゥフックが下から繋げてくると上手く決まらずに何度もリップ取りの一手で振り落とされました。あれは精神的にかなりキツかったです。最終的には左手をリップに送るムーブを変更して不格好ながらも何とか完登できた形になりました。ある意味自分の得意を活かせたいい選択だったかと思います。これまで登ってきた岩の中でもムーブを解き明かしていく過程が特に濃く、ジムっぽい動きがとても面白いと感じた素晴らしい課題でした。
 

フクベを代表する看板課題、枕(初段)とピッコロ(一級)を繋げるリンクもので前半パートの枕は右ヒールを多用しながら左にトラバースする内容。アンバランスな動きが続くので不思議と体力を消耗します。合流するパートはルーフの中をダイナミックに飛び出す動きになっていてこの課題の第一核心になっています。後半パートのピッコロは横に突き出した岩を挟み込みで登っていくパワフルな動きの連続で下から繋げてくるとかなりしんどいです。
 

この課題に求められる内容は持久力とフック技術だと考えます。上半身の力だけに頼ってムーブを起こすにもやはり限界があります。要所要所でフック系の上半身を休めるムーブをうまく使い局所的に持久力を分散させられると最後の一手に体力を温存出来るかと思います。  

 

最後に

今回はフクベボルダーの有名な二段をご紹介させていただきました。同じグレードでも岩の形や内容が全く違い、こうして考察してみると色んな事が見えてきて改めてクライミングは面白いと感じました。もちろん僕が知らないだけでまだまだ素晴らしい課題はたくさんあると思います。これらか巡り合う素晴らしい岩に備え、技術と知識を蓄えていきたいと思います。