入り口は人工壁から

クライミングを始めて気付けば15年が経ちました。子ども用の10級から始まり、3級や1級、初段ができない壁に向き合いつつ徐々にできるムーブが増えてきました。中学1年のときの身長は142cm。届かない課題は登れませんでした。岐阜県・恵那市の笠置山の公開イベントに参加したのも10年前。エリア公開時の薄いトポにはエクゾディア岩のページに”project"と書かれたラインがありました。後に小山田さんが初登し「エモーション」と名付けられるラインでした。見上げる遥か遠いホールド。触るまでもなく「無理」と感じるラインでした。

ついにエモーションに向き合う

ついにエモーションに向き合う

それから海外ツアーや”現世(V14)"に打ち込むあまり、トライが先送りとなっていました。エモーションが7m以上のハイボルであることも実際のトライへの決心を鈍らせていました。今年はコロナで改めて国内の岩に目を向ける機会となりました。その時、やはり本気で打ち込んでみたい課題の一つにエモーションがありました。きれいにスパッと傾斜した岩面。小山田さんも「笠置を代表する1本」とコメントされていました。身長やリーチ的に問題無くなりました。あとは完登に至る実力があるかどうかです。

トライ1日目

トライ1日目

2020/9/28。まだ残暑が残る気温のため早朝に恵那へ。久しぶりにエモーションと対面。上からロープを張って懸垂下降の掃除からスタート。やっぱり上部は高い。そして怖い。何枚マットを敷いたとしても「落ちたくない」高さでした。苦労しそうな印象ながらムーブのイメージは持てました。今の状態で全く不可能なムーブも無さそう。地面に降りて、下にマットを敷いてトライ開始。やっぱりといった感じで2手目のランジが遠い!ランジ先はインカットがあまり無いカチ。跳びすぎれば指をはじかれるような感覚でした。調節が難しい。手を意識すると距離が足りない。何度か繰り返して感覚がつかめてきました。いざスタートへ。いきなりランジが止まり、上部のポケットまで到達。しかしながら、手汗ですべり落ちる。その後はじわじわ気温もあがり、ランジが止まらなくなってしまいました。

トライ2日目

ついにエモーションに向き合う

2020/10/07。この日も夜明けの早朝から。変わらず懸垂下降で掃除。そしてトライへ。この日はランジを何回も止めるも、その後で落ち続ける。。オープンで止めた後にどうも「ズレる」ようでした。そのため、止めた後にすぐカチ持ちに移行する方法に変更。これがしっくりきました。体の疲れもあり、「もう次のトライで最後の一回にしよう」と思い、もう一度懸垂下降ですべてのホールドを掃除。昼間が近づき時間的にも限界が近づいていました。

驚きましたがこのトライで完登(YOUTUBEのトライ)。いつの間にか岩の上に立っていることが不思議でした。

2日間のトライけれども10年越しの完登

"Emotion"。身長の伸びを含めて、成長を実感する機会になりました。いつも以上に嬉しい完登です。これから10年後は2030年です。その頃にも今の実力では「無理」な課題を登れるように積み重ねていきたいと思います。