キャンパシングトレー二ング

あのヴォルフガング・ギュリッヒが考案して以降、クライミングにおいて欠かせないものになったキャンパシングトレーニング。これによりクライミングのレベルが一段階上の次元に進化した事は最早疑う余地がありません。皆さんはキャンパシングに対してどういったイメージをおもちでしょうか。僕はクライミングを始めた時からこのトレーニング自体に憧れ、常に継続して行ってきましたが、今思えばただがむしゃらに頑張っていただけでトレーニングとしてはちゃんと成り立っていませんでした。そこで今回はグッぼるにきて店長に教わったキャンパトレを動画を交えて紹介していこうと思います。ボリュームが多い為、前編・後編に分けて投稿する予定です。

インナーモードの強化

まず肘を可能な限り伸ばしてそのまま片手で5秒。可能な限り体を動かさずチカラを抜くことが目標。両手になり、反対の手をゆっくり離して5秒。以上を繰り返します。



僕の場合左右の筋力差がかなりある為、右手では肩の力が抜けていますが、左手だとぶら下がりに必死でカラダが回ってしまっています。今後の課題です。

クライミング時での効果

  • しっかり腕を伸ばし、大きな振り子ムーブを使う前段階。振り子の半径が伸びるのでより遠くのホールド取る事ができます。肩の力がしっかり抜ける所まで上達すると前腕をほぼ使わず登る事が可能となり、レスト時の姿勢としても最適です。特にボルダーオンリーの人は苦手な傾向がありますので強化したいポイントです。勿論これが出来るだけで登れる訳ではありません。インナーマッスルでぶら下がり動作を開始する時にはアウターの大きな筋肉を使う必要があります。

グッぼるにきた当初は今より体重が軽かったにも関わらず、このぶら下がりが全く出来ず、常にチカラが入った状態で大きい動きが苦手でしたが、しっかり伸ばせるようになってからは以前よりも遠くのホールドが楽に取れるようになっていました。ユース世代のクライマー達は普通に出来て大人のクライマーには苦手な人が多い動きです。

左右振り子ロック

左右ラング幅を出来るだけいっぱいに使い、振り子を利用して左右に動き交互にロック。ロック側の手は耳の横、オフ側のひじは伸ばし、肩を内旋させて上から押さえ込みます。

かなりの高強度トレーニング。特にロックした反対の手を抑えこめる位置まで高いロック位置をキープするのが難しい。

クライミング時での効果

  • 高い位置でのロック力向上ろマントル強化に有効。重要なのは、胸と背中を大きく反らす事で腕が肩より下の状態を作り、押さえるチカラが働きやすい角度を使えるようになることです。フットスタンスがかなり悪いときにでも足が上がりやすくなります。

元々ロックにはある程度、自信がありましたが、それは自分のチカラの入りやすい角度に限ってだとこのトレーニングで気づきました。肩甲骨周りの可動域のストレッチとこのトレーニングでスタティックなマッスルアップも可能になり、高い位置でのロックの有効なマントル課題や手に足に以前より余裕が生まれたように思います。

対角ダイナミック

片手は可能な限り高いラングをキャッチ。もう一方の手を中継なしに、さらに上部へ。ポイントは1手目を75cm以上、2手目を50cm以上の高さで行ないます。左右交互に。苦手な方から。2セットができるようになるまで、諦めずに毎日でもやることができるトレーニング。




高さの違う位置への対角ダイナミック。まず最初は目が追い付かない。動体視力のアップと瞬時に力をいれる接触筋力アップに効果的。とはいえこれもかなり難しいトレーニング。

クライミング時での効果

  • キャンパシングトレーニングの真骨頂。最適なムーブとはつまり最小のエネルギーで移動する事。神経筋協調能と筋力の融合が必要不可欠。力があっても苦手の人が多い時間差ダブルダイノやトリプルダイノ等、思い描く動作と発生させた動作の一致が必要なパワフルなコーディネーション課題に特に効果ありです。

以前は前腕を使って思い切り引く動作ばかりで動作を連続させ連結させるムーブが苦手でした。今でも決して得意ではありませんが、苦手から普通にはこなせるようになったかなと感じています。三十路からのコーディネーション力のアップ。夢がありますよね。

対角ダイナミックトラバース

スタートは両手マッチ。片手を1段段上の可能な限り横に、遠くをキャッチ。耐えながらもう1方の手も移動してマッチ。この際、横移動100cmで線を引き、マッチ時にはみ出さないようにします。これを繰り返し、最上部まで行ったら、そのまま同じように下りてきます。



出来るだけ遠くの対角のホールド目指して振り子を使いながらトラバース。大きいラングでやればダイナミックなムーブの練習に。リーチが短い人程練習して欲しいトレーニング。

クライミング時での効果

  • ダイアゴナルで遠くのムーブを取る練習とそれに伴う振られを最小限に抑えるカラダの位置の習得が出来ます。小柄な男性や女性はこれが出来きないと高難度のクライミング、特にボルダーは厳しくなります。小さいラングで出来る人はかなり強いクライマー。

高難度課題にはよくでるムーブでリーチ的にパツパツのチカラが入りにくい状態で動く事は誰でもキツイものです。このトレーニングをするようになってその際のカラダの動かし方や保持力等が格段に上がったように思います。今後僕に課題を作ってあげたいななんて奇特な人はリーチ限界課題でお願いします。

最後に

キャンパストレーニング動画前編。お楽しみ頂けたでしょうか。文章でみてもイメージが湧かない人も動画を見る事でなんとなくでも雰囲気をつかめるかなと考えての投稿でした。トレーニングで分からない所があれば可能な限りお答えしますのでジムでお声掛け下さい。次回の後編もお楽しみに。

他にもTRXなど多くのトレーニングを提供できる環境が揃っているグッぼる。さらに多くの設備の設置も検討中。時間が限られているクライマー達がいかに効率よく自らのクライミングを追求出来るか。それはジムのスタッフの技量や熱意が大事だと思っています。そんな人達の助けに少しでもなるべく勉強あるのみ。これからも精進します。