グッぼるスタッフのミッション。目から鱗のアドバイスでクライミングセンスを磨く。

前回のブログ ワークアズライフ-重要なのはミッション- で「仕事でもクライミングでも重要なのはミッション」と書いたが、今回は「グッぼるスタッフとしてのミッション」についてさらに掘り下げてみようと思う。

きっかけは「さらに上を目指す講習」

グッぼるに勤める前、ぼくはクライミングプラトーに陥った時期があった。当時から生きているうちに5段を登ることを目標にしていたけど、2段がやっとで3段を1本登った程度。3段を得意不得意の言い訳なしに安定して登れるようになるには、クライミングとの向き合い方を変える必要があることは明白だったが、具体的に動けるほど知識も経験も乏しかった。そんなときにグッぼるのさらに上を目指す講習の存在を知り、すぐに受講を申し込んだ。

2時間と限られた時間の講習だから気を引き締めて一瞬たりとも気を抜かないつもりで入店。まずは机上講習から始まり、店長から今後の目標や今の悩みなど聞き取りがあったのち、それを元に取り組み方や方向性、クライミングトレーニング理論などを3時間半ほど聴いた。ご存知の方も多いと思うが店長は話が長い。この時点で帰宅タイムリミットまで30分しかなかった。しかし、その話の内容はどれも新鮮でぼくの知っていることはほとんどなく、聴いているだけでワクワクするような事ばかり。クライミングに限らず、話だけでここまでワクワクさせてくれる人に出会ったことは初めてだった。机上講習の後、ジム内で数本の課題を登り苦手や動きの特徴に合わせた弱点克服トレーニング(どれもやったことのないものばかり)をコーチングしてもらい、講習は終了。実技の時間は短かったが、それ以上に「これからのクライミングが楽しみで仕方がない!」と意識改革がなされたかのようにハイになって帰路に着いたことを今でも覚えている。

スタッフとしての最重要ミッション

さらに上を目指す講習から約半年後にグッぼるに勤めるべく彦根に引っ越した。働き出して半年はわからないことばかりで、ただひたすらに出来ることを増やすことに時間を費やした。初心者ガイダンスから始まり会員さんとの会話、掃除、課題セットの技術、トレーニングメニューの体得と理解、オンラインショップの商品登録や梱包出荷作業、カフェメニューの練習などなど。その中でも、スタッフとして最も身につけるべきスキルは「上達アドバイス」だとぼくは思っている。お客さんは何故グッぼるに登りに来るのか、グッぼるに何を求めているのかを考えると、必ずそこに行き着く。「クライミングが好きでいつまでも成長したい」こう思う人がグッぼるに来てくれているのはジムを見渡せば明白だった。

一日中観察してアドバイスは一言

これは店長がユースたちを指導するときに言っていた言葉。

目の前の問題を見つけ改善を繰り返す。繰り返すほど上達する。

発展途上の人にとって克服すべき弱点は無数にある。その中でも今、最も苦手で上達に必要な課題を見抜くためには、観察しかない。さらに弱点を克服するためのトレーニングや動きのアドバイスを簡潔に確実に伝え実行してもらう。その結果、出来なかったことが出来るようになれば信頼関係が生まれる。これはユースに限らずクライミングに取り組む人すべてに言えること。

まずぼくが目標にしたのは初心者ガイダンスで登りのコツを体験してもらい、目から鱗で帰ってもらうということ。クライミングは腕の筋力で登るイメージが強いが、逆に筋力を使わないようにするのが理想とされるスポーツということを知ってもらうのだ。ほとんどの初心者は腕で身体を引きつけて壁から離れないようにしてしまい、上腕が疲労して登れない。登るためのアドバイスはたった3つ。腕を伸ばして、身体を下げて、反動を使って、登ること。適当なホールドで実演して視覚から理解してもらい実際に課題で体験してもらう。クライミングを知らない初心者にとってはこれだけでも全く新しい体験なので、新鮮だと思う。

すべての人が「目から鱗」を目指す

初心者だけでなく「クライミングが好きでいつまでも成長したい」と努力する人に、ハッとするような上達アドバイスができることこそ最重要ミッション。いまは常連さんの登りを一人一人よく観察しそれぞれの弱点や登りの特徴を見抜くようにしている。数ヶ月前、クライミング歴10年以上の常連さんに苦手であろうロックオフのトレーニングを紹介したところ、日々のトレーニングに取り入れて登れなかった課題が登れたととても嬉しそうに語りかけてくださった。「弱点がないと思っていたけど、まだまだ鍛えるところが見つかった。教えてくれてありがとう。」と。しかしスタッフにできることはこの程度のアドバイスだけであり、クライミングに向き合う意識の高さは自分で考えキープしなければ継続は難しい。上達する人は考え方が正しい。グッぼるに来るすべての人の、より良いクライミングライフのために、ミッションに向き合い、ぼく自身が常に最高のクライミングを追求して行くことが楽しい。そこには充実した人生も待っているのだと信じられるようになった。