Gioia V16(6段)のホールド

イタリアにある岩場、バラッツェ。近くの街には本場の美味しいコーヒーを飲めるカフェがたくさん。 このエリアに世界でも貴重なv16とされる課題Gioia(ジオイア)があります。 この課題の初登者は地元クリスチャンコーレ。その後にアダムオンドラ、ナーレフッカタイバルが再登しています。

雨。晴れ。また雨

2018年3月14日からのイタリアツアーは12日間。最初から目標はGioiaの1つに絞って日本から出発しました。しかし今回のツアーは雨が多く、そもそも登れたのは5日間。その内で岩が乾いてコンディションが良かったのは3日間。最終日も晴れ予報が外れて雨となり、天気には恵まれないツアーとなりました。そのため、ムーブを試して修正ということが満足にできませんでした。

Gioiaの核心のホールド

核心となるムーブはスタートから3手目。2手目で距離のある遠いカチを右手で保持し、左手を3手目に寄せるムーブです(最初の画像が2手目を止めるところ)。初日から「このムーブで登れるか決まる」と感じていました。本当に難しい。6段の核心のホールドと言うと、極薄のカチやスローパーなどをイメージしますが、Gioiaの核心のホールドには分かりやすく指のかかりがあります。
具体的には核心の右手のホールドは人差し指と中指が1cmちょっとかかります。薬指と小指は5mmくらいかかるイメージです。ビーストメーカーのマイクロスの10mmをイメージすると保持できそうと思いませんか?実際にこのホールドを浮かずに探る段階では「持てそう」と感じるところもありました。

保持しきれない

しかし、この右手を保持できず、ムーブが決まる前にツアーは終了しました。1番のビーストメーカーとの違いは傾斜。
右手のこのホールドは約130°にあります。浮けてもムーブを起こせない。また、このホールドで瞬間的に強く引きつけるムーブになるため、指が抜けてしまう。保持できている気がするのに次に進まない感覚でした。

ツアーの後半

進まないことに焦りもかすかに持ちつつ、核心のパートだけを集中して繰り返しました。 繰り返す中で分かるのは、保持する以外では補えないこと。足の細かな調整、体のポジション、意識する体の部分。その核心にベストな状態はあっても、保持できない状況を変えられない。「右手を保持する方法」。このことだけを何度も考えてトライしました。 さらに感じるのは右手の人差し指の重要さ。小指側にホールドの厚みがないため、力が1番かかるのは人差し指。人差し指にもっと保持力があればと後半になればなるほど感じていました。瞬く間に日は過ぎてしまい、ついには最終日。トライできた回数も少ないながら、これまでの反省点を活かそうと思っていると、前日の晴れ予報が当日は雨に。
今回はムーブもよく分からないままで日本への帰国となりました。

トレーニング

Gioiaをトライして2日目あたりで内心では「今の実力ではあの右手のホールドは厳しい」と思う部分があったのは確かです。けれど何か他で補えないかという気持ちがありました。日本へ帰国し、保持のトレーニングを開始しました。オープンの保持には自信があるものの、カチに対する保持まだまだとGioiaで思い知らされました。
クライミングの保持力は一朝一夕では付きません。けれど、繰り返せばどれだけでも身に付くと思っています。3年前ならv14もv15も到底登れる気がしていませんでした。「グレードから5段が難しいのは分かるけれど、登れるイメージが無いから具体的なことは分からない」という感じです。それでも、Gioiaをトライしてみたいと思うところまでは来れました。けれど、まだまだです。

ビーストメーカーマイクロス10mmをお持ちの方はぜひ130°の傾斜壁へ。わずかにでもGioiaの核心を感じてもらえるかもしれません。