クライミング用語。クリングってなんですか
グッぼる内では「クリング」って言葉を使うのですが、あまり耳慣れない(使われていない)ためか、僕が無知なのか、意味がわかりませんでした。で、調べてみると、やはりほとんどの人がはっきり知らない様子。ボルダリングを始めた当初に知ったクライミング用語は「ダイアゴナル」、「デッドポイント」、「ヒールフック」、「ランジ」など。クライマー達が課題の前で交わす言葉とその感じが純粋にカッコいいなぁと感じていました。その中でも「クリング」はあまり使われない用語であり、意味も曖昧な感じです。さらにそんな用語が他にもあるのかも調べてみました。
クリング
クリング(cling)とは直訳で「しがみつく・くっつく」などの意味。歌手のPerfumeが歌う「Cling Cling」もこの意味なんだと知りました。この歌詞からも、手を握る表現が使われており、クライミングに置き換えると「握る=ガバ持ち」の感覚なんだと思います。なるほど、今までは「ガバ持ち」はそういうものだと思い込み、気にも留めていなかったです。この言葉からさらに派生して「クローズド・クリング」「アンダー・クリング」などがありクリングとは全ての握るホールディングのベースになっているのがわかりました。
その他の有名な用語の語源
キョン
傾斜が強いルートを登る際に片方の膝を落とし込んで下半身を安定させ、次のホールドを取りに行きやすくする画期的なムーブ。しっかりハマると気持ちいいですよね。なんとこのムーブの語源は漫画『がきデカ』という作品に出てくるこまわり君のギャグ「八丈島のきょん!」のポーズに似ていることだそうで気になり調べてみるとこれが強烈、この『がきデカ』という作品自体が言葉が悪いですがはっきり言ってかなり下品です。これからキョンをするたびにあのキャラクターが頭の中に出てきそうです。世の女性クライマーの皆さんは知らないことを勧めます。ちなみに「キョン」とは鹿のことです。英語では"ドロップ・ニー"と呼ばれています。
ガストン

以前、店長にガストンの定義について教えていただいた時の話です。ガストンの語源はフランスの山岳ガイド、ガストン・レビュファ(Gaston Rebuffat)がクラックを観音開きで登っていた写真が日本で紹介されたことに由来すると聞きました。先ほどのキョンとは少し違い、クライミングの歴史をも感じます。その語源を知るだけでその言葉に対する見方がガラッと変わりますね。
ダイノ
クライマーなら一度は憧れるダイナミックムーブのひとつ。「ランジ(=ダイノ)」、「ダブルダイノ」この二つはコンペなどでも最も盛り上がるシーンでよく見かけます。ダイノ(dyno)は"dynamic"を短くしたものだそうです。単純ですがこれも調べるまでは全く知りませんでした。
サイファー
自分が最も気になっていたのがこの「サイファー」。必殺技のようなこの名前、気にならない訳がないです。イギリスのロッククライマー、ベン・ムーン(Ben Moon)がSlipstonesというエリアにある初登のサイファー(Cypher)という課題で、彼がこのムーブをしたことが語源となっています。ムーブ自体もカッコいいですが語源までもイケてます。まさにムーブ名大賞ではないでしょうか。
クライミング用語の面白さ
クライミング用語の語源について調べていく中でそれぞれに歴史があることを知り、それを紐解くことで更にクライミングの深みを感じました。自分もいつかムーブの名付け親になるほどのクライマーになれればと憧れてしまいます。クライミングを始めて約3年半。まだまだ知らない事のほうが多く、今回のブログをきっかけにクライミングの文化についてもっと知りたいと思いました。まだ見習い中ですが、ジムスタッフとしても、これからクライミングに出会う方々に少しでもこの世界のセンスを伝えられるように学び、その知識を自分自身のクライミングにも活かして成長の糧にしていきたいと思います。


